【用語集】4,4-ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸とは?性質・用途・合成・安全性を解説|AGC 受託合成サービス

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4,4-ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸とは?

4,4-ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸(4,4-Difluorocyclohexanecarboxylic acid)は、cas番号が122665-97-8で、シクロヘキサン環の4位に2つのフッ素原子が置換した構造を持つ含フッ素カルボン酸です。電子効果と立体効果の両面から物性や反応性を制御でき、主に有機合成の中間体や医薬品開発、材料化学などで利用されるフッ素含有化合物です。

性質と特徴

  • 分子式:C7H10F2O2
  • 官能基:カルボン酸基(–COOH)、ジフルオロ置換基
  • 電子効果によりpKaや溶解性を調整
  • シクロヘキサン環の立体配座に影響を与える

用途

ファインケミカル・ライフサイエンス

  • フッ素置換環状構造体の一例として、新規薬剤候補分子の構築に利用
  • フッ素の導入は、分子の耐久性や生物活性を高める効果があり、医薬品のリード化合物の構造最適化に使われます

材料化学

  • 耐久性・撥水性を付与する修飾剤

合成と製造

  •  選択的ジフルオロ化反応によりシクロヘキサン誘導体から合成
  • 工業的にはフッ素化剤の選択制御スケールアップが課題
  • AGCはフッ素化学分野の強みを活かし効率的なプロセス設計を支援

安全性と取扱い

  • カルボン酸として腐食性あり → 保護具必須
  • 粉末吸入・皮膚接触に注意
  • 廃棄はSDS・法令に従い専門業者へ

法規制

  • 日本:化審法、労働安全衛生法
  • 欧州:REACH規制
  • 米国:TSCA

類似化合物との比較

化合物特徴
4,4-ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸シクロヘキサン骨格+ジフルオロ置換、医薬・農薬中間体
トリフルオロ酢酸 (TFA)強酸性、溶媒・分析用途
無水トリフルオロ酢酸 (TFAA)酸無水物、アシル化試薬

まとめ

4,4-ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸は、分子の物性改善や生物活性化のため用いられ主に有機合成の中間体や医薬品開発、材料化学などで利用されている。AGCは研究から商用スケールまで、フッ素化学に基づく受託合成をサポートし、高品質な供給を実現します。