【用語集】トリフルオロ酢酸エチル(ETFA, CAS 383-63-1)とは?性質・用途・合成・安全性を解説|AGC 受託合成サービス

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トリフルオロ酢酸エチル(ETFA, CAS 383-63-1)とは?

トリフルオロ酢酸エチル(Ethyl trifluoroacetate, ETFA)は、分子式 C4H5F3O2 を持つ含フッ素エステルです。CAS番号は383-63-1。トリフルオロアセチル化やエノラート化学に広く用いられる中間体で、製薬・農薬・材料分野・分析分野で重要な役割を果たします。

性質と特徴

  • 揮発性があり、冷暗所・密閉容器で保管必須
  • 水分と反応して加水分解し、トリフルオロ酢酸を生成
  • 強い求電子性を示す
  • 分析化学で、特定の官能基を誘導体化して検出感度を上げる目的で利用

用途

製薬・ライフサイエンス

  • トリフルオロアセチル化試薬としてアミン・アルコール修飾
  • 医薬品中間体の合成

農薬・ファインケミカル

  • 含フッ素農薬の中間体

材料化学

  • 機能性材料の合成中間体

安全性と取扱い

  • 揮発性が高く蒸気吸入に注意
  • 皮膚・眼刺激性あり、保護具必須
  • 冷暗所・密閉容器で保管
  • 廃棄は法令・SDSに準拠し専門業者へ

法規制

  • 日本:化審法、労働安全衛生法
  • 欧州:REACH、CLP
  • 米国:TSCA

類似化合物との比較

化合物CAS特徴
トリフルオロ酢酸 (TFA)76-05-1強酸性、溶媒用途
無水トリフルオロ酢酸 (TFAA)407-25-0酸無水物、アシル化反応
トリフルオロ酢酸エチル (ETFA)383-63-1エステル、中間体

まとめ

トリフルオロ酢酸エチルは、製薬・農薬・材料分野で欠かせないトリフルオロアセチル化・エノラート化学の出発原料です。AGCはフッ素化学の専門性とスケールアップ実績を活かし、研究から量産まで一貫した受託合成を提供します。