【用語集】ヘプタフルオロ-2-ヨードプロパン(CAS 677-69-0)とは?性質・用途・反応性・安全性を解説|AGC 受託合成サービス

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ヘプタフルオロ-2-ヨードプロパン(Heptafluoro-2-iodopropane, CAS 677-69-0)とは?

ヘプタフルオロ-2-ヨードプロパンは、フルオロアルキルヨージドに分類される含フッ素化合物で、パーフルオロアルキル基導入や表面処理剤として使用されます。

性質と特徴

  • 分子式:C3F7I
  • 強い電子求引性を持つパーフルオロアルキル構造
  • 光や熱でラジカル生成 → 高い反応性
  • 揮発性があり、密閉・冷暗所で保管が必須
  • 環境残留性の懸念があり、EHS配慮が求められる

用途

医農薬・ライフサイエンス

  • パーフルオロイソプロピル基導入
  •  医薬中間体の合成

材料化学・ファインケミカル

  • 冷媒、発泡剤、エアロゾル噴射剤 、消火剤として用いられる
  • プラズマエッチング用途

合成・製造高反応性

光・熱による分解を起こしやすいため、閉鎖系でのプロセス設計と回収・再資源化が実務上の重要点です。
AGCはフッ素化学分野での経験を活かし、研究段階からスケールアップ・商用生産まで一貫対応可能です。

安全性と取扱い

  • 強い揮発性と刺激性があるためドラフトチャンバーでの取り扱いが必須
  • 保護具(手袋・ゴーグル・防護衣)着用
  • 環境への残留リスクを考慮し、廃棄はSDS・法令に準拠

法規制

  • 日本:化審法、労働安全衛生法
  • 欧州:REACH規制、CLP
  • 米国:TSCA

 類似化合物との比較

化合物CAS特徴
ヘプタフルオロ-2-ヨードプロパン677-69-0フルオロアルキルヨージド、ラジカル反応性高い
トリフルオロ酢酸(TFA)76-05-1強酸性、溶媒用途
無水トリフルオロ酢酸 (TFAA)407-25-0酸無水物、アシル化試薬

まとめ

ヘプタフルオロ-2-ヨードプロパンは、主に有機合成の中間体や特殊材料の原料として利用されており、医薬品・農薬・電子材料分野など幅広い用途があります。AGCはEHS配慮を含めたスケールアップと安定供給を提供し、研究開発から商用スケールまでの受託合成をサポートします。