【用語集】トリフルオロ酢酸(TFA, CF₃COOH, CAS 76-05-1)とは?性質・用途・合成・安全性を徹底解説|AGC 受託合成サービス
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トリフルオロ酢酸とは
トリフルオロ酢酸(Trifluoroacetic acid, CF₃COOH, 略称:TFA)は、カルボン酸に分類される有機化合物で、極めて強い有機強酸として知られています。
CAS番号は76-05-1。フッ素原子を3つ含む構造により強力な電子求引性を持ち、吸湿性が高く、水や有機溶媒に優れた溶解性を示します。
性質
- 強酸性(pKa 0.23)
- 電子求引性が高い
- 高溶解性・吸湿性
- 常温で安定だが高温で分解注意
用途
製薬・ライフサイエンス
- ペプチド合成における脱保護試薬
- 医薬品中間体、LC-MS分析用移動
農薬・ファインケミカル
- 含フッ素農薬の中間体
材料化学
- ポリマー重合時の酸触媒
- 表面処理剤・コーティング剤
合成と製造
工業的にはトリクロロ酢酸のフッ素化などで製造。国内需要は年間数百トン規模。
安全性・健康影響
- 強い腐食性・毒性あり
- 揮発性が高く吸入注意
- 保管は冷暗所・密閉容器
- 廃棄は法令に従い専門業者へ
BfRとEFSAによると、市販ワインから平均0.122 mg/Lの残留が検出されたが、通常摂取量では健康リスクは低いとされる。
法規制
- 日本:化審法・労安法
- 欧州:REACH
- 米国:TSCA
まとめ
トリフルオロ酢酸は製薬・農薬・材料化学に不可欠な含フッ素化合物です。AGCは研究から商用スケールまで対応できる受託合成サービスを提供しています。